箪笥博物館

館内には船箪笥等の佐渡に伝わる古美術品を箪笥博物館として展示してあります。
佐渡の文化が佐渡の匠を育み、その匠達が佐渡箪笥を生んだ。

船箪笥

北前船に積み込まれて使われたもので、携行にも便利なように小型化され、船が難破した際にも壊れないように、外側は堅い欅材と鎧のように鉄金具で保護され、隠し箱が仕込んである等、複雑・精巧な造りとなっている。
船箪笥には、金庫変わり(手形、証文、帳簿、金銭、印鑑、筆硯などを収納)に使われていた「帳箱 チョウバコ」と「懸硯 カケスズリ(全面が一枚片開戸になっているもの)」や 、船頭の羽織袴などの衣裳を入れた「半櫃 ハンガイ」の3種類があり、殆どが佐渡の小木で造られていた。

小木箪笥

船箪笥職人が北前船の船頭の依頼で芸者に与える衣装箪笥を作ったのが始まりと言われ、船箪笥の木工と金工の優れた技術による豪華なモノが多く別名、芸者箪笥とも言われている。
2つ重ねで、4尺幅、上下とも2つの抽斗があり、右側に小抽斗と片開戸がついている。
前板には、欅の最高の玉杢を使い、仕上げも生漆を10回以上すり込む「すり漆」仕上げとなっており、黒鉄の金具は厚くて大きく、抽象的な曲線美を生かした雲形模様がなどが多い。

八幡箪笥

起源は江戸中期、佐渡奉行の求めに応じられて作られた「物入れ」が最初と言われており、以後嫁入り道具の箪笥として島内の需要をいってに引き受けていた。
前板は、桐に漆をかけたモノが多く、金具は小木箪笥に比べるとやや薄いが、箪笥全体に占める割合が大きく派手で、直線的美を生かした目出たい図柄(恵比寿、大黒、高砂、鶴亀、松竹梅など)を透かし彫りにしてある。

佐渡箪笥の充実は明治10年頃から大正の初めで八幡箪笥は大正10年頃より、漆塗がされなくなり、桐の生地そのままとなり、小木箪笥も金具が薄く小さくなる